「北摂でプロ野球リーグを作りたい」NPO法人北摂ベースボールアカデミー 植松剛史さんの構想とは
(この記事は約10〜15分で読めます)
みなさん、こんにちはこんばんは!ぼちぼちライターのにっしーです。
今回は、豊中市で初心者の子どもたちに野球教室を開催している、NPO法人「北摂ベースボールアカデミー」理事長の植松剛史さんにお話を伺いました!
週に1回開催されている野球教室の詳細はもちろん、植松さんの野球に対する考え方、そして今後の展望なども語っていただきました。
野球人口が減少しているなか、植松さんは野球振興に積極的に取り組んでいます。
少年野球を取り巻く環境について気になる方は、ぜひご覧ください!
(画像編集の都合上、写真の容量が少し重くなっております。読み込みが遅い可能性もございますが、あらかじめご了承ください)
初心者のための野球教室
植松さんは、週1日・1回90分の野球教室を開催しています。
場所は豊中市の「千里北町公園野球場」です。今回、その様子を伺うためにお邪魔しました!
この日は約15名の子どもたちが参加していました。
「初心者のための」という名前のとおり、がっつりとした練習メニューは組まれていません。
ボールを避ける練習やバウンドさせる練習、近い距離から投げられたボールをキャッチする練習をしたのち、キャッチボールとバッティングに取り組んでいました。
練習を済ませたあとは、最後に試合です!
ビブスの色ごとにチームが分けられ、今回は3イニング制で実施されていました。
試合は同点で終了。最後はしっかりと礼をして終了です。
トンボをかけてグラウンドの整備もしっかりおこないます。
試合が終わったあとも、多くの子どもたちがグラウンドで野球を楽しむ姿は、とても印象的な姿でした。
植松さんの経歴
植松さんは、高校を卒業したのち筑波大学に進学します。
スポーツトレーナーを目指し進学したものの、当時(2000年ごろ)は専門的な知識を持った人が活躍できる場が少ないことに気付きました。
そういった人が活躍できる場を作るため、大学、および筑波大学の大学院で体育経営学を専攻し、NPOについても学びます。
大学を卒業し、小学校で教諭として勤めたあと、2019年にNPO法人北摂ベースボールアカデミーを設立しました。
NPO法人を立ち上げた理由
ここからは、実際に植松さんにさまざまなお話を伺いました。
まずは、北摂ベースボールアカデミーを設立されたきっかけ、想いについてお伺いしました。
ー「NPO法人を立ち上げたいと思われたきっかけは何ですか?」
「もっと多くの子どもたちに、野球ができる環境を用意したいと考えたためです。
野球をしたい子どもはたくさんいると思いますが、土日を割いて野球をすることが難しいケースもあります。
水泳やサッカーは習い事として定着しているものの、『習い事で野球をする』ってあまり聞かないですよね。
このグラウンド(千里北町公園野球場)も平日は空いていることが多かったため、野球を始める入り口を広げる活動がしたいと思い、北摂ベースボールアカデミーを設立しました」
野球人口が減少している理由とは?
野球人気はまだまだ高いものの、野球人口は徐々に減少している状態が続いています。
野球人口が減少している理由について、植松さんの考えを伺いました。
ー「野球人口が減少している理由について、植松さんのお考えを聞かせてください」
「時代の変化に対応できていないことが大きいと考えます。
昔は、土日の両方を使って野球をすることが難しくない時代でした。
しかし、共働きの増加や習い事の多様化などもあり、時代は確実に変わっています。
週末が『野球』で埋まってしまうことが難しい時代になったんです。
少子化なども1つの原因だと思いますが、昔のやり方を引きずっていることが大きな原因ではないでしょうか」
ー「なるほど。その状態から脱却するために、植松さんの活動があるわけですね」
「そうですね。もちろん、がっつり野球をやりたい子どもは、少年野球に所属していいと思うんです。
でも、それが難しい時代でもあります。だからこそ、自分のペースで野球ができる場を増やしたいと思っています。
今までカバーできていなかった部分を、私がカバーできるようにしたいですね」
「楽しむ」ことと「礼儀」を大切に
時代が変わっているなか、野球の指導者に求められる要素は何か。
野球に関わり続けている植松さんの考えを伺いました。
ー「これから先、野球を教える指導者にはどういった姿勢・考え方が必要だと思いますか?」
「野球の技術を教えるだけじゃなくて、スポーツマンシップの部分を教えることも大切だと考えています。
野球はスポーツの一種で、当然勝つ人もいれば負ける人もいますよね。
誰だって勝ちたくて頑張っているわけですが、負けてしまうこともある。
負けていいわけではありませんが、『負けることも含めてスポーツである」という考えを受け入れられること。
そして、『相手を大切にする』こと。こういった部分を伝える必要があると思います」
ー「人間性を育てるというイメージでしょうか?」
「そうですね。私の野球教室は『何が何でも勝つ』ことを目的にはしていません。
勝つことが目的であれば子どもたちに正解を教えるほうが早いので、おそらくそうするでしょう。
そうではなく、子どもたちが自ら挑戦して、試して、失敗して、試行錯誤する余地を残すようにしています。
試行錯誤をすることで、バッターのボールが落ちそうな場所を予測して、子どもたちが自らポジションの位置を決めたりするんです。
楽しんで、相手を讃えて、試合を通して成長することを私は目指しています」
植松さんの目指す先
最後に、植松さんは今後どのような展開を考えているのか、詳細にお伺いしました。
ー「植松さんは、今後どのような取り組みをされたいと考えていますか?」
「大きな目標として、北摂の中だけで完結するプロ野球リーグを作りたいです。
例えば、『豊中市 VS 箕面市』のような市町村単位のリーグが理想ですね。
独立リーグは基本的に都道府県ごとにチームがありますが、自分が住む都道府県以外のところまで応援に行くのは難しいと思います。
でも、隣町までの移動ならハードルも低くなりますし、応援に行きやすくなるはずです。
普段は行かない町に行って、新しい魅力が見つかるかもしれない。
そうなれば経済の活性化につながることも期待できるので、進めていきたいですね」
ー「野球を通じた地域活性化ということですね」
「その通りです。イメージは地域のお祭りですね。
屋台があって、お客さんは美味しいものを食べながら野球を見る。
プレーをしている選手は、地元の人から選ばれた地元の選手。
北摂の中で野球をする場所や見る場所を作り、プロ野球選手がもっと身近な存在になったらいいなと思います。
身近に憧れのプロ野球選手がいれば、子どもにとっても嬉しいはずですから」
取材後記
今回の取材を通して、なぜ野球人口が減少しているのか、その答えにつながる新しい発見がありました。
北摂エリア限定のプロ野球リーグが実現すれば、身近な人とのコミュニケーションが増えるかもしれません。
植松さんの取り組みは、野球を通して北摂エリアを活性化するという、非常に規模の大きいものです。
実現できるよう、私も心から応援させていただきます!
北摂ベールボールアカデミーの詳細、そして野球教室の詳細について知りたい方は、以下のURLから確認することができます。ぜひご確認ください!
https://hokusetsubaseball.org/
それでは!
Webライティングの仕事を中心に、インタビューや編集もこなす人。
野球中心にスポーツが大好き。フットワークの軽さが特徴的で、どこにでも飛んで行ける。
スポーツと教育に対する興味が強い青年
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