出会ったら良いことあるかも!? 大阪シティバスの「ゼブラバス」の魅力を探る。
ライター: きょうこ、あさかわ
いつも「ぼちぼち」をご覧くださいまして、ありがとうございます。
目次
皆さんは大阪市を走るバスにどんなイメージをお持ちですか?
「大阪市の市バスのこと? 確か民営化されたと聞いた。」という方や、
「普段、通勤通学に使っているよ。クリーム色の車体に黄緑のラインが入ったバスでしょ?」
という方も多いと思います。
そう、大阪市交通局の市バス事業は2018年に民営化され「大阪シティバス(株式会社)」に引き継がれました。
そんな大阪シティバスに通称「ゼブラバス」と呼ばれる珍しいバスがあり、この度ご縁をいただきまして、取材させていただくことができました。
取材にお伺いしたのは、酉島営業所
実際のゼブラバスを拝見できる、大阪シティバスさんの酉島営業所(とりしまえいぎょうしょ)に伺いました。
ご対応いただいたのは、大阪シティバスの総務課の澁川さん。
ちなみに、酉島営業所は、大阪シティバスの7箇所ある営業所の中では大規模な営業所だそうです。たくさんのバスの車庫、点検設備、運転手さんの訓練のための教習車も配備されているなど、広い敷地に様々なバスを見ることができました。
ゼブラバスは当時の先進的な「ワンマンバス」の証だった。
「バスでワンマン運転?それって当たり前じゃないの?」
と思われる若い読者の方もいるかもしれません。
しかし、ワンマン運転でバスが走るようになったのは、1950年代になってから。バスのワンマン運転は、大阪市が全国に先駆けて最初に取り組んだそうです。
それより以前は、運転手さん以外に車掌さん(おもに女性)が乗務し、後ろで切符の発行、運賃の収受を行っていたそうです。
なぜ「ワンマン運転」にする必要があったのか?
歴史を紐解くと、当時の時代背景が伺えます。
戦後復興が加速していた当時は、人々は住まいのある郊外から大阪市内の都市部への移動が日常的になります。バスの終発時刻を延長する要望が多い一方で、当時の労働基準法で女性の深夜勤務は制限されており、運転手一人で運行できるように検討に迫られていたそうです。
それまでは車掌が担うドアの開閉や料金の支払いなどを機械化するという当時の最先端技術が導入されました。
ゼブラバスは、従来の「ツーマンスタイル」と区別しやすくするために導入された塗装だったわけです。
その後、1970年代にかけて、大阪のバスは最盛期を迎えます。市電に代わって、市内の公共交通機関の主役となり、大阪万博の開催などもあり、街中のいたるところで、ゼブラバスを見ることができたそうです。
しかし、時代の移り変わりは激しく、1980年代には自家用車の普及による交通渋滞、大阪市営地下鉄の開業などで、バスの利便性は相対的に低下し、公共交通機関の主役の座を地下鉄などの電車に譲ることになります。
貴重なオリジナルのゼブラバスを車庫で見学させてもらいました。
オリジナルのゼブラバスは残念ながら走行はできません。
現代の排ガス規制に対応できないことや安全性の問題があり、オリジナルのゼブラバスは自走することはできませんが、イベント開催時には展示されることもあるそうです。
ちなみに、車内には当時の路線図も残されていました。当時は市内圴一料金で、大人が50円、子どもが25円だっとことがわかりました。
市営交通110周年の記念にラッピングバスとして7台が復活
市営交通110周年の記念として、各営業所に1台ずつの計7台が復活しました。当時を知る人々からは懐かしむ声が多かったそうで、根強い人気がわかります。
この復刻のラッピングバスは、現代のバスにラッピングして外観のみ当時のデザインになっており、乗り心地はもちろん、PiTaPaももちろん使えます。
車内の広告が掲載される場所には歴代バスの写真や資料が掲載されており、バスの歴史に触れることもできる貴重な空間です。
ゼブラバスは7台しかなく、走る路線も他の通常のバスと同様にローテーションに組み入れられているため、見かけることができたり、乗ることができたらラッキーですね、とのこと。
ところで、「運転手さんはゼブラバスを運転することは嬉しいのでしょうか?」と興味あることをお聞きしましたが、
大阪シティバスの澁川さんによれば、「運転手もゼブラバスを運転することができ、嬉しい反面、緊張もします。」とのことです。
ご存知でしたか?直行バスも運行している大阪シティバス
ちなみに、大阪シティバスでは、IKEA鶴浜行き直行バスやUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)直行バスの運行も行っており、ラッピングされた専用バスがあります。(IKEA仕様: 10台、USJ仕様: 1台)
今後の取り組みについてもお聞きしました。
大阪シティバスの総務課の澁川さんにうかがったお話では
大阪シティバスは、これまで市バス路線の運行を受託する業務を主として行ってきましたが、民営化に伴い2018年4月に大阪市交通局から市バス事業を引き継ぎました。
これを契機に、今後は市域内に限らず、新規路線の獲得や観光バス、中距離バスなどの新規事業を立ち上げるなど、事業の拡大を目指していきたい。とのことです。
今後も大阪で生活する人、大阪にビジネスの出張や観光にお越しになる方に頼れる存在でいてほしいですね。
参考文献・資料など
- 大阪シティバスの公式ホームページ
- 大阪シティバス(Wikipedia)
- ワンマン運転(Wikipedia)
- 大阪の教科書 増補改訂版:大阪検定公式テキスト
- 大阪の教科書 ビジュアル入門編: 大阪検定公式テキスト
- 【関西の議論】わずか1・3%!大阪市の「ゼブラバス」人気投票1位の秘密は…
今回の取材メンバー
ITエンジニアの仕事をしている30代、大阪府出身。
会社員で業務システムを扱うお仕事を12年ぐらい経験しましたが、数年前、偶然にもWordPressと出会って、Webへ転換を決意。2018年からはフリーランスとして活動しています。私生活は夫婦共働き、「忙しない日常でも心のゆとりを」が目標。「ぼちぼち」ではグルメ記事やロカール線の記事を書くことが多いです。これからWebやブログを始める人を応援したい。WebやWordPressに関することは主に個人のブログで書いています。
興味を持ったらいろいろ追いかけます。
セロー225というオフロードバイクとSV650でのツーリングやソロキャンが趣味。
美味しいものとアウトドアとアートが好き。
ITエンジニアの仕事をしている30代、大阪府出身。
会社員で業務システムを扱うお仕事を12年ぐらい経験しましたが、数年前、偶然にもWordPressと出会って、Webへ転換を決意。2018年からはフリーランスとして活動しています。私生活は夫婦共働き、「忙しない日常でも心のゆとりを」が目標。「ぼちぼち」ではグルメ記事やロカール線の記事を書くことが多いです。これからWebやブログを始める人を応援したい。WebやWordPressに関することは主に個人のブログで書いています。
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