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こども食堂やコワーキングでビルに活気を!大阪キタでがんばる水交ビル経営三代目

更新:2015年12月24日 カテゴリー:インタビュー タグ:

ぼちぼちインタビュー第7回目の今回は、大阪・十三にある「水交ビル」のオーナー、深沢ちかよさんにお話を伺いました。

ご主人の幸治郎さんや仲間と育ててきた「JusoCoworking」、家庭と仕事をつなげるイベント「家族ラボ」、そして新たな挑戦「こども食堂」の背景には、ビル経営者としてのゆるぎない決心や、母としてのあたたかい想いがありました。


大阪キタの繁華街「十三」生まれのビル育ち

JusoCoworkingが入っている水交ビルは、大阪の有名な繁華街・十三(じゅうそう)から駅すぐにあり、ちかよさんのおじいさんの代から深沢家が管理する自社ビル。

小学三年生まではビルが自宅でもあったので、ちかよさんにとって、ビルはとても身近な存在。そのためか、幼少の頃からなんとなく、将来は自分がビルを引き継ぐのかな、と考えていたのだとか。

ちかよさん

みほじ:結婚相手は、やはりビルをいっしょにやってくれる人という条件で探したりしてたの?

ちかよさん:そうですね、それは当時お付き合いしていた幸治郎さんにも話していて、いいよ!と言ってくれたので良かったです。

みほじ:人生設計に、ビルがしっかり組み込まれてますね。。


ビルを継ぐも最初は苦戦。コワーキングに注目し、JusoCoworkingが誕生

大学卒業後はすぐにビルで働きはじめ、結婚してビルを引き継ぐも、リーマンショックの影響で経営が非常に難しい時代に突入。テナントにも空きが目立つなど苦戦を強いられることに。

その頃、長男の周平君が誕生したのをきっかけに、デザイン事務所で毎日、深夜まで働いていた幸次郎さんが、自分の働き方を改めて考えた結果、退職してフリーランスを始めたのでした。

夫婦で本格的にビル運営を考えるようになった時、「コワーキングスペース」に出会い、関心を持つようになりました。

ちかよさんと幸治郎さん

幸治郎さん:ちょうど日本に最初のコワーキングスペースが生まれた時期で、制作の仕事と親和性も高いし、自分でもやってみたいと思いました。東京のPaxCoworkingを訪ねて行って、オーナーの佐谷さんと熱く議論してましたが、まだコワーキングなんて誰も知らないし、誰も来ない(笑)完全に絵に描いた餅でしたね。

ちかよさん:早速ビルの空き部屋に会議机とイスを置いて、JusoCoworkingが誕生したけど、最初は誰も来てくれなくて。今月はお客さん来なかったねー、という時もありました。

みほじ:なんと!そんな時もあったんですね。。

JusoCoworkingできて間もない頃

JusoCoworkingできて間もない頃


イベント運営「家庭としごとをつなげよう」コワーキングJelly+家族ラボ

しばらくすると、コワーキングという新しい取り組みに興味を持ってくれた人がポツポツと現れ、どうやったらJusoCoworkingを盛り上げていけるのか、ちかよさん夫婦といっしょに考えてくれるようになりました。

そんな初期メンバーを中心に、みんなで集まって仕事をするイベント「コワーキングJelly」を始め、コワーキングにも活気が生まれてきました。

 

コワーキングJelly

部室感がすごい(笑)かつてのコワーキングJellyの様子

ちかよさん:幸治郎さんが仕事仲間とコミュニティを作っていくのをうらやましく感じました。ならばわたしは、子育てのイベントを自分でやろうと思って。ママ友に声をかけてイベントをはじめました。

みほじ:それが「家族ラボ」だったんですね!わたしも子どもたちを連れて、何回も遊びに来てます。思えば、家族ラボ参加が私のコワーキング・デビューでした。

そうして、子どもが自由に遊べるスペースを作って楽しく過ごしてもらいながら、親同士が交流するイベント「家族ラボ」がスタート。子どもたちが遊ぶ横で、大人は話をしたり、仕事をしたり。「家庭と仕事をつなげる」新しい休日の過ごし方を提案する機会となりました。

 

その後、ビルの4階が空いたため、思い切ってJusoCoworkingを増床。初期メンバーのアイデアと、ちかよさんが家族ラボの開催を通じて得た「子どもにやさしい」空間づくりの視点をふんだんに盛り込み、誰もが心地よく過ごせるやさしい場所になったのでした。

増床して403号室に移ってからのJusoCoworking


地域に目を向け、子どもの貧困問題に触れ「こども食堂」をスタート

水交ビルにはコワーキングやイベントを目的にさまざまな人が出入りするようになり、風通しの良い場所となっていきました。

人が集うコミュニティの大切さを実感したちかよさんは地域活動にも参加するようになり、高齢化が進む地元・十三の街を盛り上げるため、同世代のメンバーをまとめる役割まで担うように。

その頃、以前から気になっていた「子どもの貧困問題」のことを真剣に考えはじめるようになりました。自分が簡単に手をだせるような簡単なことではないとは思いつつも、あきらめきれなかったのです。

メンバー内で食堂の事例などを研究し、地域のまちづくりグループや 団体さん、地域の人にとどまらず地域以外からのたくさんの人の協力を得て、ついに「こども食堂」をスタート。

こども0円食堂
ターゲットとしたのは貧困家庭だけではない。仕事で忙しくしている親子など、理由は人それぞれだけど「ただ生きる・生活する上でとにかくちょっとしんどい」人たちがあったかいご飯を食べてホッとできる場所をつくりたいと考えた。

それは、ちかよさん自身が同じ立場にあることから生まれた発想だった。

そうして2015年12月5日、第1回目の「こども食堂」開催を終えて、大きな手応えを感じました。
モノや寄付金はあつまる。応援したいと思っている人も多い。でも、それを取りまとめて動けるような仕組み作りをできる人がいない。
それこどが、自分の役割だと再認識したのです。

ちかよさん:「こども食堂」をボランティア活動にするつもりはないんですよ。最近、「ソーシャルビジネス」とか「コミュニティビジネス」という言葉を知って。社会や地域の問題を解決しつつ、それをビジネスとして成り立たせるという考え方らしいんですけど、こども食堂も、参加する人みんなのプラスになるような形にしたいんです。

みほじ:すごく良いと思います。こういうのは単発で終わるより、継続して開催しないとあまり意味がないように思いますし。

ちかよさん:融資をうけるのか、NPOにするのか。どんな形にして、どうやってお金をあつめるのか、今後の課題ですね。


ソフト面からビルを盛り上げて、付加価値を生み出していく

コワーキング、家族ラボ、こども食堂。それぞれの取り組みの裏には、自分の目線で出来ることを常に考えている、しっかり者のちかよさんのビジョンと戦略がありました。これからも応援しています!


水交ビル事務局

〒532-0023 大阪市淀川区十三東1-17-13 405号室

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