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大阪の素敵な会社を発見! ブックレビュー:「おもろい」働き方で社員も会社も急上昇する。Peachのやりくり

更新:2019年07月08日 カテゴリー:ライフハック, 社会見学 タグ:, , , , ,

最近読んだ本の中で感動を覚えました。

いつも「ぼちぼち」をご覧くださいましてありがとうございます。ぼちぼち編集部のあさかわです。
今回は最近読んで感動した書籍を紹介します。大阪の泉佐野市・関西空港に本社を置く、Peach・Aviation株式会社。その会社のトップである、井上慎一氏 (代表取締役CEO)が執筆された、『「おもろい」働き方で社員も会社も急上昇する。Peachのやりくり』。
ビジネス書ですが、読んで楽しい本です。働き方に対する考え方ひとつで、仕事は楽しくなる。そう思えるはずです。
もしご興味があれば、ぜひ読んでほしいと思います。

Peach・Aviation株式会社公式Instagramより

Peach・Aviation株式会社

コーポレートサイト: https://corporate.flypeach.com/?utm_source=flypeachJP

大阪でキラリと光る若くてエネルギーにあふれる航空会社。

最近は、大阪発祥の企業でも東京への本社移転の傾向が長らく続いており、明るい話題が少ない大阪の産業界。でも、Peach・Aviation株式会社は、大阪が本社、若い(会社設立は2011年)、日本LCCの最大手。そして何より、大阪らしい明るい社風の会社。大阪ローカルメディアを標榜する当メディア「ぼちぼち」もPeachさんには頑張ってほしい、応援させてほしい、と勝手に思って今、記事を書いています。
感動したいことが沢山ありますが、全てをご紹介出来ませんので、私が特に魅力を感じた部分を紹介しますね。

「これ、やってみたらおもしろいんちゃう?」という判断基準。

LCC(ローコストキャリア)であるPeachは、低コストで生産性を上げるための工夫が必要である、と井上氏は冒頭で述べています。ですが、だからと言って「コスト削減」 「お金をかけない」「切り詰め」、そういうネガティブ思考に支配されてしまっては、良いアイディアは生まれず、生産性も上がらないとも指摘しています。


低コストで生産性を上げる。この取組みをネガティブ思考から始めるのではなく、どうせやるなら「これ、おもろい!」と明るくポジティブに、楽しみながらやりたい。そのために、私たちが大切にし、共有している言葉があります。

それが「やりくり」です。

『「おもろい」働き方で社員も会社も急上昇する。Peachのやりくり』はじめに より

Peachさんが考える「やりくり」とはどんなものなんだろう?と多くの方が興味を持たれたと思います。
この本の中では、具体的な「やりくり」の成功事例が紹介されています。

  • 「客室乗務員のあいさつを大阪弁でやったら、大阪の航空会社っぽくておもしろいんしゃう?」
    →「おもろい!」→「採用!」
  • 「コシヒカリを機内で売ったら、新潟路線就航の盛り上がり感がでておもろいんちゃう?」
    →「おもろい!」→「採用!」

この他にもお客様向けのサービス、社内の業務改善での採用事例が多数紹介されています。いずれも保守的な発想ではなく、「おもろい」を基準にしているそうです。
なぜ「おもしろさ」を大切にしているかという理由も紹介されています。


私や社員たちが「おもしろさ」を大切にしているのは、1つはそこから「新しい価値」が生まれると思っているからです。
(中略)
もう1つは、人びとがおもしろさを求める姿勢は、雰囲気となってまわりの人に伝わるからです。

『「おもろい」働き方で社員も会社も急上昇する。Peachのやりくり』第1章 より

経営者、会社員、フリーランス、立場が異なっても、全てのビジネスパーソンが参考にすべきことがあるのではないかと思います。愛想がないレストランやお店には行きたくない、仕事が辛いとかつまらないと表情でわかるようなデザイナーやエンジニアに仕事を依頼したいと思わないでしょう。業種や職種は違っても、この人から買いたい、一緒に仕事したいと思わせる人は面白くて、一緒にいて楽しい人と思います。


振り返って我が事として考えてみると、 私・あさかわがこのローカルメディア「ぼちぼち」で記事を書き続けているのも、仕事(本業)を面白く・楽しくするための手段のひとつだからです。仕事は自分たちの工夫次第で面白くて・楽しくて・やりがいのあるものにできる。私は記事を書くようになってからそう思うようになりました。
きっと「ぼちぼち」で記事を書いてくれている他のライターさんもそうだと思います。

あなたがいた会社では、どうやっていたの?

Peachさんの場合には創業当初、全社員が中途採用だったため、このような他の業種や仕事を経験した方のアイディアを尊重し、良いモノであれば取り入れるということが行われてきたそうです。

日本企業の場合、これまで新卒採用が主流だったため、このような考え方が難しかったのかもしれません。しかし、業界に染まっていない方のアイディアや価値観が新しいサービスを生み出すかもしれません。経営者としては活かしてナンボということでしょうか。

私自身が異なる職場を経験してきましたので、実体験としてわかりますが、これは中途採用や業界未経験で飛び込んできた社員ご本人の大きなモチベーションになるはずです。新しい仕事を始める時、これまでの経験を活かせる、そんなチャンスがある職場は非常に魅力的です。

アイディアをカタチにするための仕組みもPeachさんでは工夫されています。「寄合い」という名前のブレインストーミングの場があり、社内イントラネットで「大喜利」という品評会で社員が投票するそうです。評価が高かったアイディアを実行に移していくというもの。

まず、このネーミングの時点ですでに「おもろい」ですよね。ちなみに「寄合い」とは大阪の泉州地域を中心に行われている「だんじり祭り」の際に、青年団の方々が準備や打ち合わせをすることを「寄合い」と呼ばれています。

コスト管理はメリハリが重要

社内の備品購入に中古オークションサイトを使って購入、社内システムは自社サーバーを設けず、100%クラウドにする、会議資料はパワポを使わずワードで箇条書きなど費用対効果を考えた柔軟な取り組みをされているそうです。

その一方で、安全とブランドにはコストを惜しまないという方針を徹底。

まず、航空会社として、「安全」は絶対に最優先しなければならないとし、「整備の現場にコストカットはない」という考えを徹底するという方針で整備本部では仕事しているそうです。

また、「お客様が受ける印象にかかわる部分」には同様にお金をかける。Peachさんのコーポレートカラー「フーシアピンク」の機体塗装は通常塗装よりもコスト高でもこだわる、客室乗務員の方の制服もLCCだから貧相なイメージを与えてしまわないようにファッションデザイナーに依頼するなどメリハリを効かせるコスト管理は、多くの会社経営者の方や管理職の方が参考にできると思います。

読み終えて

たくさんの「やりくり」の事例、取組みが紹介されており、難しい表現を用いず、わかりやすく、具体的に書かれています。もちろん、そのままコピーして使えないと思いますが、考え方や事例を自分たちの事情にあわせて改良することで実践できることが多いのではと思いました。会社単位でなくても、個人レベル(会社員の方が自分の職務範囲内で、あるはフリーランスの方)でもできることはあると思います。

Peachさんは、同じLCC航空会社のバニラエアさんと統合するそうで、今度は中距離路線に進出、アジアのリーディングLCCを目指すと宣言するところで、締めくくられています。

今後の躍進に期待したいところですし、私自身もファンになりましたので、もちろんPeachを利用しますし、機会があればイベントにも行ってみたいと思います。

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