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VUUR(Anneke van Giersbergen)・インタビュー:Metal Female Voices Fest 2019 in 大阪 #2

更新:2019年06月20日 カテゴリー:音楽 タグ:, ,

Metal Female Voices Fest Japan 2019 出演バンド&大阪公演日

“ぼちぼち”音楽リポーターのSAEKOです。前回、メタル・フィメール・ヴォイシズ・フェストの取材としてリーヴズ・アイズをご紹介しましたが、本日はVUUR、ヴォーカルのアンネケ・ファン・ヒェルスベルヘン(日本語表記はアネク・ヴァン・ガースバーゲンが主流でしょうか?!)のインタビューをお届けします。

さて、今回もヘヴィメタルをよく知らない読者のために、紹介から始めたいと思います!

VUURの紹介

結成は2016年、オランダ。バンド名 VUURは、オランダ語で“情熱”や“炎”と言った意味があります。ボーカルは、オランダが誇る世界的バンド The Gathering で歌っていたカリスマ女性シンガー、アンネケ・ファン・ヒェルスベルヘン。ジャンルはいわゆるプログレッシブ・メタル……と言われても、「プログレッシブ・メタルって何?」状態の読者も多いかもしれませんね。

まずはそこから、わかりやすく説明しましょう!

えっと、ビートルズやローリング・ストーンズを王道ロックだと仮定して、それを更に進歩させたロック(例えば、クラシックやジャズ、フォーク、地域音楽などの様々な音楽を融合したり、難解な歌詞をつけたり……)を一般にプログレッシヴ・ロックと言います。代表的なバンドは、ピンク・フロイドキング・クリムゾンイエス辺りでしょうか。ちなみに、このプログレッシブ・ロック、Wikipediaには次のように紹介されています。

「プログレッシブ」とは、「進歩的」「先進的」・「前衛的」というような意味だが、プログレッシブ・ロック・バンドという場合、そのアルバムや楽曲などが次のような特徴がある。

Wikipedia プログレッシブ・ロックより引用

……って、全然わかりやすくない?ま、でも、それはある意味正しくて、要するに、複雑でややこしいロックなんです。😅 そして、そのややこしい音楽をそつなく弾きこなすには相当のテクニックが必要。

さて、次にプログレッシブ・メタル。これは、プログレッシブ・ロックに、ヘヴィメタルならではの力強いサウンド(ギターやダブルベースのドラム中心のアグレッシブなサウンド)が融合された音楽です。プログレらしく、一曲の中で何度も転調や変拍子が繰り返されたり、10分越えや複数の楽章に分かれている曲もあったり、構成は複雑。なので、普段、ポップスなどの“歌もの”しか聴かない人には、最初は難し過ぎて良さが理解しづらいかもしれません。でも、長年音楽を演奏し続けたり、聴き続けたりしている人にとっては、この複雑感がたまらない。だって、わかりやすい音楽にはもう飽きているのですもの。(私個人的には、複雑なことをしているにも関わらず、パッと聴いた感じ、複雑だと気づかせないというか、サラッと聞かせてしまうプログレ・メタルが一番好きです。また、ヘヴィメタルならではの重いサウンドでビシバシ、ビシバシと繰り広げられる変拍子は……正直めっちゃ気持ち良いです。)

さて、では VUUR はどんな音楽をプレイしているのか。是非、下記の公式PVで確認してみてください。
アルバムの一曲目“My Champion – Berlin”です。(▼)

いやぁ、かっこいい!!
でも、バンド自体の歴史はまだ短いので、ここでボーカルのアンネケについて紹介しておきましょう。

上記ビデオでもわかるように、彼女は非常に女性らしく伸びやか、涼やかな歌声をしているのですが、同時にヘヴィメタルの重いバッキングもグイグイ引っ張るだけの力強さを持っています。欧州の女性ロック・シンガーの中では随一の歌唱力だと言えるでしょう。

彼女は、シンガー・ソングライターであり、ギタリスト、ピアニストでもあり、2007年までは The Gathering のリード・シンガーとして活躍。ソロ作品やサイド・プロジェクトも精力的に行っており、オランダのロック・オペラ・プロジェクト Ayreon にも参加。2014年には Ayreon 主催者のアルイエン・アンソニー・ルカッセンと The Gentle Storm を結成しています。長くなり過ぎるのもどうかと思うので、今回は各バンド、プロジェクトの紹介は省きますが、“しっとり”系から“激しい”系まで実にカラフルで多彩な才能の持ち主。オフィシャルPVを貼っておくので、こちらも是非、聴いてみてくださいね。

The Gentle Storm: Heart Of Amsterdam(▼)

Anneke van Giersbergen(ソロ):My Mother Said(▼)

そして、1999年リリースのPVがこちら。The Gathering: Liberty Bell(▼)

ライブレポート

では、4月20日、大阪公演のレポートを……。

非常に重い、個性的なリフが会場に響き渡り、ショーがスタート。アルバム2曲目に収録の Time — Rotterdam だ。アンネケが歌い出すと更に歓声が……。演奏自体は非常にヘヴィで、ある意味ダーク、そこにアンネケの伸びやかで透明感のある声がのると……独特な陰陽の対比が、とても面白いバランスを作り出す。アンネケの存在感が素晴らしいので、彼女の歌にだけ注意が向きがちだが、ここで特筆しておきたいのは演奏の素晴らしさだ。ライブ会場ということもあり、音源以上にドラムやベース(勿論ギターも)の低音がズシズシ響くのだが、そのタイトさと言ったら……もう完璧!!変拍子ならではのアクセントの移動やタメのタイミングも、各パート、まさに完璧に合っていて、結果、演奏における静寂の対比やグルーブ感が素晴らしい(各自ヘッドバンギングのタイミングも完璧だから、視覚的にもグルーブ感倍増)。リフも音源以上にかっこよく聞こえるし、キレキレとはまさにこのこと。そのリズムに身を委ねると、本当に気持ちよくてたまらない。ここにアンネケの歌がのれば、もう最強。The Gathering や The Gentle Storm の曲も数曲演奏されたが、全曲タイトで相当テクニカルな曲に聞こえたのはこの演奏陣のせいなのだろうか。

上には演奏陣のことばかり書いたが、勿論アンネケの歌唱と存在感は半端ない。広い会場の空間に伸び伸びと、力強く響き渡る彼女の透き通った声。地声もファルセットも同等のパンチ力があるので、その切り替えも耳に心地よい。そして、彼女が時折ジャンプしながら見せる天使みたいな笑顔がまた可愛らしく、存在全体から女神のような明るいオーラが発されていた(普通、オーラって衣装や髪型などの“見せ方”による部分も大きいと思うのに、普段着のような“素”の衣装でここまでのオーラを出せるとは……改めて彼女の偉大さを感じました)。会場全体がそのオーラに包まれ、観客も皆、幸せそうにショーを楽しんでいたのが印象的だった。
全部で7曲、約45分間のステージは、盛り上がる中、あっという間に終わってしまいました。正直、もっと聴きたかった!カメラマンのゴウも、高揚した様子で「めっちゃかっこよかった〜!もっと聴きたいな!」と言っていました。

セットリスト

  • time — Rotterdam
  • On Most Surfaces ( The Gathering cover )
  • My Champion — Berlin
  • The Storm ( The Gentle Storm cover )
  • Days Go By — London
  • Your Glorious Light Will Shine — Helsinki

その他ライブ写真は 公式インスタグラム をご覧ください!

インタビュー

ライブ前に、アンネケ・ファン・ヒェルスベルヘンにお話を伺いました。(音楽メディアではない)大阪ローカルメディア“ぼちぼち”では、音楽の話だけでなく、ミュージシャンの素の顔をお届けしたいと思っていますが、今回も、大阪の印象、子育てしながら活動する女性として、色々お話を聞くことができました。彼女の温かい人柄が伝わってくる内容ですよ(画面右下の設定ボタンで、日本語字幕を表示してご覧ください)。

メタル系ミュージシャンのインタビュー映像も5本目、そろそろ、「ヘヴィメタルの人は怖い」のイメージは解消されてきたかなぁ。

VUUR 関連リンク

オフィシャルサイト(英語のみ)/ Facebook / Instagram / YouTube チャンネル

Anneke van Giersbergen 関連リンク

オフィシャルサイト(英語のみ)/ Instagram / YouTube チャンネル / Facebook / Twitter

アルバム

大阪での素晴らしいステージ、有難うございました!!

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