魚伊天五店 | 土用の丑の日を前に天満の老舗うなぎ屋でひつまむしを食べてきた
この数年で絶滅危惧種に指定されたニホンウナギではありますが、土用の丑の日といえばやはり「鰻(ウナギ)」です。
絶滅は深刻な問題ではありますが、万葉のころから歌に詠まれるくらい日本人とはつきあいの古いウナギ。気温が上がるとついつい恋しくなってくるのも事実です。
梅雨を前に夏日が多くなり、土用の丑の日が近づいてきました。
2016年の土用の丑の日は7月30日とのこと。
今年の土用の丑の日は?
引用:Wiki Pedia
土用の丑の日
というわけで今回は、天満天神橋筋商店街にある「炭焼きうなぎの魚伊天五店」に行ってきました。
1. 炭焼きうなぎの魚伊
看板に記載されているように、「炭焼きうなぎの魚伊」の創業は慶応三年。
西暦でいうと1867年 – 世界ではパリ万国博覧会が開催され、日本では徳川慶喜による大政奉還が成立し、近江屋事件で坂本龍馬と中岡慎太郎が暗殺された年 – から約150年続く老舗とのことです。
本店は、大阪市旭区高殿。
ホームページで使われている一軒家造りの外観写真は、そのまま江戸時代の街並みに持っていっても映えそうな雰囲気で敷居の高そうな印象も感じます。
今回はもう少しカジュアルな印象の、天神橋筋商店街内にある「炭焼きうなぎの魚伊 天五店」に行ってきました。
お店の前に飾られた黒い看板には大きな「鰻」の文字が書かれているので、すぐに「この店だな」とわかります。
17:00の開店前にお店の前に着くとすでに開店を待つ家族客や老夫婦もおり、その人気っぷりが伝わってきます。
お店の前には持ち帰り用のショー・ケース兼カウンターとお品書きが置かれています。
入り口ドア前に従業員がのれんをかけるのを合図にその日の営業が始まり、いざ店内へ。
1階はカウンター席のみで奥に焼き場(厨房)が見えます。
案内された2階はテーブル席で、土づくり風の金色の壁に大きな花瓶で花が生けられてます。
入店前の待ち時間で注文は決めていたので、ひつまむしとうな重・う巻きセットをたのみました。
待っている間にただよってくる炭火でうなぎを焼くにおいに、空腹感と期待感はいやおうなく高められてしまいます。
2.メニュー
2-1. うな重・う巻きセット
ボリュームを重視して注文したのは「うな重・う巻きセット」。
大きめの重箱のふたを開くと、こんがりと良い色に焼かれたうなぎ。
品のあるタレがほどよく染みこんで、ジャマをせずに炭焼きのうなぎの味を引き立ててくれます。
同じ味でうな重を食べ続けても飽きないように工夫されたタレです。
卓上にタレが用意されてはいますが、ほとんど使う必要はないくらいでした。
ほかにも、うなぎを中にして焼いた大きめのう巻き、炭火の風味がする肝吸い、香の物。
とても満足できる味・内容・ボリュームでした。
2-2. おすすめは「ひつまむし」
もうひとつの注文は「ひつまむし」。
おひつにはいったうなぎとごはん、だし、海苔・わさび・ネギの薬味、香の物、空のうつわとしゃもじ。
空のうつわにうなぎとごはんを小分けに盛って食べて、その時どきで風味を変えて楽しむことができる大人な食べ方です。
だしや薬味を足したり、粉山椒やタレを追加して自分好みの食べ方を楽しめるという粋なメニューです。
ひとつのメニューでいろんな味を楽しめる大人な食べ方ができるひつまむし、おトク感はかなり高いです。
ひつまむしにも一尾と半身が選べて、「半身ではもの足りないかも?」という方は一尾を注文してみてはいかがでしょうか。
3.感想
今回は開店前に到着してオープン待ちしていたのですが、ほかにも同じように待っていたお客さんがいました。
一組は小さなお子様連れのためか他のお客さんに気がねしない早い時間に来店する若い家族客と、「これが日曜日の楽しみ」と昔から通いつめてそうな老夫婦。
オープンと同時に迷わず1階カウンター席に陣取っていた老夫婦の姿からは、とくにこの魚伊のうなぎへの愛着が感じられました。
ちなみに、おじいさんの方は注文した瓶ビールを飲み残しても炭焼きのうなぎはキレイにたいらげておりました!
お目当てのうなぎのほかにも、炭の香りがつけられた肝吸いや一品としても成立するクオリティのしば漬けや奈良漬などの香の物など。
なかなか食べる機会も少なくなったうなぎをただ食べて満足するだけではなく、いろいろな好みや食べ方で楽しませてくれる良いお店だと感じました。
創業150年という高そうな敷居が目立ちはしますが、とてもやさしく粋な楽しみかたを提供してくれるさすがの老舗。
価格や品質を保ちづらいご時世にはなりましたが、ずっと続いて欲しいお店です。
4.地図・アクセス
魚伊天五店
串焼きうなぎの魚伊のホームページ
〒530-0041 大阪府大阪市北区天神橋5丁目5−5
Webに携わること約3年、Web等デザイン業勤務中なれど依然迷走中。
2014年からStudioBRAINにこっそり紛れ込みいろいろ習得(物色)中。
2015年は飛躍と共にチーム貢献を予定(希望)。
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