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【インタビュー】東京パラリンピック注目選手堀越信司選手

更新:2021年09月05日 カテゴリー:インタビュー タグ:, ,

いよいよ2020年東京オリンピック・パラリンピックが近づいてきました。
ぼちぼちでは、大阪にゆかりのある選手を紹介していこうと思っています。第一弾は、東京パラリンピック代表推薦内定選手堀越信司(ほりこしただし)選手にお話を聞いてきました。

堀越信司選手東京パラリンピックマラソン代表推薦内定!おめでとうございます!

2020年東京パラリンピック代表メンバーが正式に決まるのは来年の6月。
堀越選手は、4月に行われた2019WPAマラソン(ロンドンマラソン)での3位入賞、日本人1位という好成績で日本ブラインドマラソン協会代表推薦選手1位を手にされました。
正式決定まで、無事に過ごすことができたら、いざ出場!です。

--まずは4月に開催されたロンドンマラソンで自己ベスト更新の3位入賞、そして東京パラリンピック代表推薦内定‼おめでとうございます!30歳を目前にして、ご自身のマラソンスタイルが確立されてきた感じですか?

そうですね。ロンドンマラソンが通算9本目のマラソンだったのですが、やはりマラソンレースに出場し始めた頃に比べると、経験も重ねて、7、8本目くらいから「自分はこんな練習が合っているな」というのが分かってきました。
ロンドンマラソンでもある程度自信をもってスタートラインに立てたと思っています。

ーーパラリンピック前年にご自身のマラソンスタイルが出来上がったというのは、いい感じの波が来てますよね。

そうですね。パラリンピックまで1年数か月残している時点で、今のような感覚をつかめるようになってきたのは大きいと思っています。
パラリンピックのマラソンは来年の9月6日。
それまでにあと2回くらいしかマラソンが走れないんです。
この2回を代表選考を意識して走らなければならないというのは、とても大変なことです。
代表推薦内定をいただけたことで、何も気にせず夏のマラソンで走りに集中できるというのは、すごく大きいことだと思っています。

ーーそれは、前回のリオパラリンピックに出場する1年前の堀越選手とは全然違いますか?

リオのときも、今回同様最短で代表推薦内定をいただいたんですが、当時はまだマラソン2本目だったので、どんな風にリオに向けて進めていけば良いのか掴みきれないまま、リオパラリンピックに出場しました。
結果的には、直前に練習しすぎたりとか、調子をうまく上げることができず、結果を残すことができませんでした。

ーーリオパラリンピックでは予想以上の暑さもあったようですね。

でも今は当時より、経験積んできているし、厳しい環境の中でも結果が出せるようになってきているので、それも自信につながっています。
そんな経験をもって、あと1年3カ月、何をしたらいいのかイメージができる。だいぶ状況は違うと思っています。

自国開催というプレッシャー

ーーそれではあとは「自国開催」というリオやロンドン以上に多くの注目度の高さとプレッシャーとの闘いですよね。

それはすごく大事なこと。3回パラリンピックに出場させていただいて、たくさんの人に応援していただいて、それはすごくうれしいことなんですけど、なかなかそれらをプラスの力にかえれないことがあって・・・

ーー力にもなるけど、力みにもなるという

そうです。こんなに多くの人が応援して期待をかけてくれているので「失敗したらどうしよう」「走れなかったらどうしよう」「メダルが取れなかったらどうしよう」・・・そんな考え方をしてしまうと、重みに感じてしまう・・・今までは何度もそんな失敗をしてきたし、悔しい思いもたくさんしました。

でも最近では、本当に応援していただいていることが嬉しいし「なんとかメダル獲ってきてくださいー!」とか言ってもらえると、「これだけまわりに人がついてるんだから大丈夫!」って安心感につながるようになってきたんです。
東京パラリンピックはかなり注目されるでしょうが、多くの応援してくれている皆さんの前で結果を出せたらいいなって今は思っています。

レース前のお約束ってありますか?

ーーここから1年3カ月、心身ともに飛躍できるトレーニングを積み重ねていかれると思いますが、堀越選手はレース前にお決まりのルーティンワークなどありますか?

縁起が良いからってわけではないんですが、レースの2~3日前から赤飯を食べます。

ーーごはんというより、もち米の入っている赤飯?

これはずっと続けていて、しっかりもち米でエネルギーを補給してからレースに出る。当日の朝まで赤飯を食べます。

ーーえ?三食ずっと?

そうです。4月のロンドンマラソンでも赤飯を持って行ってずっと食べていました。

ーーそれはお住い近くの和菓子屋さんのお赤飯とか?

いえ、最近防災食品としても注目されているα米の赤飯で、お湯をいれると出来上がるタイプのものを、遠征先にも大量に持って行って食べてます。

ーーそしたら・・・このインタビューが公開されたら、どか~んと赤飯がいろんなところから送られてくるかもしれませんよ

それはありがたい!α米の赤飯がいいですね!

大阪での暮らしは快適ですか

ーー現在大阪市内に住まれているということですが、大阪はいつから?

大阪に引っ越してきたのは昨年です。大阪には、大阪城公園や長居公園など走りやすい公園がたくさんあって、緑も多くていい街だなぁと思っています。

ーー良い印象を持っていただけて、うれしいです。そしたら大阪独特の日常会話の中にもボケつっこみを入れてくることにも、衝撃とかなかったですか?

大阪出身の友人もいるので、衝撃はなかったですが、土曜日の昼間に吉本新喜劇がテレビでやってるのを初めてみたときには、びっくりしました。

子供たちに堀越選手からメッセージ

ーー最後に、これからマラソンと出会うかもしれな子供たちにメッセージをお願いします。

マラソンは100m走などの種目に比べると地味なスポーツで、迫力やカッコよさはないと思うんです。
でもマラソンはただ走っているだけではなくて、よく見てみると、ペースの上げ下げでのかけひきや、位置取りなどが大事で、けっこうおもしろいスポーツなんだということを知ってほしいなと思います。

そしてこれから陸上を始めるかもしれない子供たちに伝えたいのが、マラソンはやったもん勝ち!ということなんです。
短距離ももちろん努力が必要ですが、素質が重要な種目で、才能があって努力を重ねれば100m10秒台などで走れるようになるスポーツだと思うんです。
それに比べて長距離は、やればやっただけ、練習すれば誰でもある程度のところまで走れるようになるんです。
とにかく努力の割合が大きいスポーツなんです。だから誰にでもチャンスはあるし、誰にでもできる!

ーー子供たちは体育の授業などで長距離走とかあると「めんどくさい」「しんどい」って言いますよね。もう少しがんばって走ってみたら、可能性が広がるってことですね。

マラソン選手の自分が言うのもなんですが、なかなか積極的にやろうと思う種目ではないと思うんです。
でも、やり始めて好きになって、どんどん速く走りたいって思ってたくさん練習したら、絶対速くなれるスポーツなんです。

ちょっとでも「走るの好きだな」、「速く走れるようになりたいな」と思ったら、是非挑戦してほしいなと思います。

ーーたくさんお話ありがとうございました。それでは、これからいよいよ大阪の暑い夏がやってきます。
ケガのないように2020年の夏を迎えてください‼

このインタビューを動画で見る


堀越信司(ほりこしただし)選手プロフィール
1988年7月生まれ
長野県出身
筑波大学附属盲学校を経て目白大学を卒業
所属先:NTT西日本陸上競技部

2007年IBSA世界選手権出場し、10000m3位、5000m5位入賞から、数多くの中長距離レースに入賞。2014年末からフルマラソンに取り組み、2016年のリオパラリンピック視覚障害マラソンの部で4位、2019年4月28日に開催されたロンドンマラソンでは2時間25分56秒の自己ベスト更新し3位入賞、日本人1位となった。 視覚障害T12クラス(伴走者と走るか単独で走るか選択できる、堀越選手は単独走)
生まれたころ病気で右眼を摘出し、その影響で左眼も0.05の弱視


インタビューを終えて
緊張しながら当日を迎えたのですが、堀越選手は本当に好青年!さわやかにたくさんお話していただいて、ありがたかったです。
オリンピックもパラリンピックも、めちゃくちゃがんばってるアスリート達の祭典!2020年東京パラリンピックもしっかり応援したいと思います!

コメント

  1. しまのうち より:

    堀越選手、素敵な方ですね。無理せずご自身のペースでこれからも頑張って頂ければと思います。応援してます!

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