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【おとなの社会見学】大阪 柏原市の老舗・古賀印刷で工場見学してきました!

更新:2021年06月09日 カテゴリー:お出かけスポット, インタビュー, 社会見学 タグ:, , , ,

こんにちは、うっちーです。
工場見学は大人になるほど萌えると思うのですが、皆さんはいかがでしょうか?
今回は、瀬島さんの商談に乗じて、柏原市の魅力を伝えるべく、カメラ担当のちゃっぴぃさんと3名で工場見学ツアーを決行しました!

★kyokoさんは、ボタン屋さんと、染め物屋さんの見学記事を書いています。こちらも是非チェックしてみてください!★

大阪 柏原市ってどこ?

大和川の河川敷。きれいに整えられていて、市民から人気の場所

さて、今回の見学ツアーの舞台は、柏原市。中河内(なかかわち)と呼ばれる大阪府の東側のエリアにあります。
八尾市、藤井寺市、羽曳野市や、奈良県とも面している柏原市は、自然と歴史に恵まれた場所です。

歴史弱者ながらあれこれ調べてみると、5世紀後半築造と言われる高井田山古墳がありました。
また、大阪夏の陣で豊臣方の後藤基次が陣を構えたと言われる玉手山公園(当時は小松山)もあります。

あぁ!それとそれと、ワインも有名です。
山にはぶどう畑が広がっています。2019年のG20サミットで振る舞われたワインのいくつかは柏原市のカタシモワイナリーからでした。

以前まで、柏原市?どこだよ?と思っていました(※めっちゃ失礼)が、歴史や文化が古くてびっくりです(※失礼2)!

3代揃う、柏原市の老舗印刷屋さん

おじゃましま~す!

さて、今回お邪魔したのは、柏原市で長年印刷業を営まれている古賀印刷さんです。(2022年には50周年!)

親子3世代で印刷業界を盛り上げるべく、様々な技術向上や新たな方向性にチャレンジしている古賀印刷さん。創業時からのお話を伺ってみると、印刷業界の歴史も垣間見えます。

古賀さん3代が勢揃い!(中央が現会長)

当時はハンコ屋さんを営んでいたという会長。印刷の相談を頻繁に受けるようになったことから古賀印刷を創業します。

やがて時代は活版印刷や大量印刷がトレンドに。そして現在はデジタル化社会とSDGsへの関心が高まっています。
時代の変化とともに、印刷業界に携わる一員としてどうあるべきか常に考えられているそうです。

だけど変わらないのは「まちの人、身近な人を大切にする」こと。
どれだけ大口のお客さんがいようとも、身近な人を大切にすることは絶対に忘れてはいけないというのが初代会長の教えだそうです。

印刷工場にレッツゴー☆

「いや〜、この匂い結構好きです」とお伝えしたら「それはやばいで」と社長にツッコまれました

お話を聞いたあとに、いよいよ工場へ!
インクのしぶ〜い香りが漂う場所へと向かいます。

くるくると回るローラーが愛おしい…

はい、入ってまず目にするこちら。
紙を1枚1枚送り出している部分です。めちゃくちゃ早い動きをしますが、ズレもなく、重なりもない。日本の技術が光ります。

奥から、黒→シアン→マゼンダ→イエローと、濃い方から順にインクの色が重なって仕上がっていきます

所謂「オフセット印刷」とはこちらの機械で刷られます。
各インクで濃淡を変化させ、4色が順に重ねられていくと、緑や紫など4色以外の色が再現されます。
大量に刷るときはスピード&コストの面から、オフセットがオススメだそうです。

オープン!紙に転写される仕組みを説明してくれました

緑色の部分は「版」と呼ばれる部分。必要な箇所にインクが写るようになっています。
青色の部分は「ブランケット」というゴムのような素材のローラー。
版からブランケットへ色が転写され、判子状態になったブランケットが、紙と接触することで印刷されていきます。

インクを版に転写(オフ)し、紙に転移(セット)して印刷するから「オフセット印刷」と呼ばれるのだそうです。目からウロコぽろりですね。

た、たまらん!これはかっこいい!

古賀印刷さんでは「水なし印刷」を採用しています。
これまでは、インクが付く部分・付かない部分を分けるために、水と油の原理を利用した方法だったとのこと。

未だに印刷の多くはこの方法が採用されていますが、廃液となる水には有害物質も含まれるため、印刷業界が抱える環境問題でもあります。
古賀印刷さんでは地球環境を守るために、水なし印刷の技術を取得されたそうです。

環境汚染は、回り回って私たちも食事などから有害物質を摂取しかねません。
自分事で見てみると、大切な取り組みだということが分かりますね!

キュイン!と言いながらスッパリ切ります。刃を見ているだけでも怖いけど、かっこいい機械。

印刷を終えたあとは、裁断を行ない、まわりの余白をカットします。
入稿の経験がある方が一度は言われたであろう「『トンボ(トリムマーク)』を必ず設定してください」っていうのは、この時のためなんですね〜。

二つ折りとか、三つ折りなんかの「折」をする機械

すぱぱぱぱぱー!と鮮やかに折りが仕上がる機械はこちら。
折っていく仕組みは隠れてて見えず、気がつけばきれいに仕上がって出てくる。どんなに覗き込んでも見えない。
奥ゆかしくも仕事が早くて確実だなんて、できるヤツだな本当。

渋い中の渋い!工場内でも異彩を放つレトロ感!

昭和35年製ですが、バリバリ現役だそうです。
厚みがある紙の場合、インクのベタ塗り部分に折りがあると、紙が割れてインクの下から紙の白い部分が見えてしまうことがあります。
この現象を抑えるために使うそうですが、手作業なので大量印刷だと難しくなります。デザインする側は、紙割れを見越す必要がありますね!

製版担当の竹田さん。SDGsで研修ができるほどかなり詳しい方!

こちらの機械は「オンデマンド」の印刷機。
オフィスにあるプリンターと仕組みは同じとのことで、小ロットの場合はこちらの方がコストも押さえられるそうです。

仕上がりを目にして瀬島さんは大興奮!

瀬島さんのお店「船場ビスポーク」のリーフレットを実際にオンデマンド機で見せてくれました。もちろん、申し分ない仕上がり!
粋な図らいをしてくださる古賀印刷さんのサービス精神に感動!

何が書いてあるかは、古賀印刷さんに訪れた者だけが分かるのです……ククク(悪)

マイクロフォントやコピーガードの印刷もお手のもの。
写真は線に見えますが、ルーペで覗くとちゃんと文章が書かれています。

印刷から社会問題まで!印刷に関わる方は、是非見学してみてください

まちに愛される印刷所。ちょっとノスタルジックなのもいい。

今回、機械に萌えたのはもちろんですが、最も印象深かったのは「今やインクを乗せるだけでは飯を食えない」という社長の言葉。
これはデザインのお仕事で印刷屋さんと関わる私にとって、とても刺さりました。

ネットプリントで値崩れしている印刷業界では、印刷する以上の価値が求められています。
古賀印刷さんはこれに対して「SDGs」について積極的に取り組まれていました。

印刷屋さんを利用する側も、「早くて安い」という基準だけではなく、環境問題への取り組みが積極的な印刷屋さんを選ぶ努力がいるのかも。
社会について考えるってそういうことなのかな…と感じました。

いや、予想外にめっちゃ真面目に社会見学してるやん!
だけど、めちゃくちゃ大切なことを教わりました!!
古賀印刷さんありがとうございました!!

古賀印刷 工場までのアクセス

〒582-0009 大阪府柏原市大正2丁目10−36

【電車で行く場合】
JR大和路線 柏原駅西出口 下車 徒歩約8分

【車で行く場合】
阪神高速14号松原線 大堀出口 下車 約10分
西名阪自動車道 藤井寺出口 下車 約10分

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