【ネタバレあり】美に関する介護職のお話、福祉ネイリストミュージカル「てんしごと」を観劇してきたよ
こんにちは。エンタメ好きなぼちぼちライター、ayaです。
普段は食べたり泊まったりな取材をさせていただくことが多いのですが、今回はぼちぼちで初めて、ミュージカルの取材をさせていただきました!!!(^^)
元々ライブや舞台などのエンタメが大好きで、多いときは年間30本くらい舞台やライブに行っていたので、このお話をいただいたときはものすごく嬉しかったです!
今回観劇させていただいたのは、劇団WAO!さんのミュージカル「てんしごと~通わせた、ぬくもりの先~」。
福祉ネイリストさんのお話です。
福祉ネイリストってなに?
劇団WAO!ってどんな劇団なの?
ミュージカルってどんな感じ?
などなど、気になるところをぎゅぎゅっとまとめてみましたので、ぜひご覧くださいー!
目次
福祉ネイルってなに?
女性の方やオシャレに敏感な方なら、ネイルに通われている方も多いのではないでしょうか。
ネイルはネイルでも、「福祉ネイル」は普通のネイルとは少し違います。
福祉ネイルとは、主に高齢者・病気や障害を抱えている方に対して行うネイルで、一般社団法人日本保健福祉ネイリスト協会に属する福祉ネイリストたちが実施いたします。
一般社団法人日本保健福祉ネイリスト協会 公式ホームページ https://fukushinail.jp/
福祉ネイルの対象となる高齢者の方や障がい者の方の体の状態を見ながら、その方に合わせた環境設定・施術方法を工夫します。
一般社団法人日本保健福祉ネイリスト協会 公式ホームページ https://fukushinail.jp/
この福祉ネイルを行うのが、福祉ネイリストです。
今では大々的な研究会も行われるほど、その効果に注目が集まっています。
実際、福祉ネイルによってうつ状態だった方の表情が明るくなったり、認知症の進行が遅くなったりと、奇跡とも思えるような効果が表れているそう。
以前はニュース番組にも取り上げられたようです!
介護専門職と聞くと理学療法士や介護福祉士などが有名ですが、こういう視点から介護に関われるお仕事もあるんですね。
好評につき再演が決定しました!
2021年1月17日に中之島公会堂で上演された「てんしごと」
好評につき8月14日土曜日に再演が決定しました!
- 上演日:2021年8月14日(土曜日)
- 場所:国立文楽劇場 大阪市中央区日本橋1-12-10x
- 開場:15:00
- 開演:16:00
- チケット:4,800円
- ライブストリーム:2,000円
チケットのご購入はこちらから
福祉ネイリストミュージカル「てんしごと」のあらすじと見どころ
てんしごとの主人公は、現在一般社団法人 日本保健福祉ネイリスト協会にて代表理事を務められている、荒木ゆかりさんです。
劇団WAO!の監督・磯部さんもネイリストで、おふたりは昔からの仕事仲間だそう。磯部さんの、荒木さんの活動をもっと多くの人に知ってほしいという思いから、このミュージカルが生まれました。
てんしごとでは、荒木さんが福祉ネイルの可能性を見い出し、協会を立ち上げ、ご自身の信念の元にその可能性を全国へ広げていくお話が綴られています。
舞台セットはシンプル。視点がバラけることなく演者さんに集中することができました。現代のお話ですし、前知識が全然なくても内容がスッと頭に入ってきやすかったです。
第一幕 福祉ネイリストの誕生
最初は恥ずかしがっていたおばあちゃんたちでしたが、ネイルを施されればキラキラと表情を輝かせ、「次は私の番ね」と喜ぶ姿に若々しさを感じました。体の不調を訴えていた人が「そんなこと言ったかしら」と首を傾げて笑うほど、表情からも行動からも元気さが滲み出ています。
女性はきっと何歳になっても女性であり、周りの目や年齢を気にして遠慮してしまうだけで、いつだって美しく在りたいという気持ちを持っているものだと思います。
「可愛くてきれいなものに触れていたい」
「大好きな旦那さんに可愛いって思ってもらいたい」
けれど年齢や障害は、そんな彼女たちの気持ちを諦めで塗り潰してしまいます。
荒木さんが施すネイルは、それを取り除いてくれる魔法だったのでしょう。
おばあちゃんたちが明るく、若々しく、元気になっていく姿を見て、荒木さんはこの「福祉ネイル」を本格的にお仕事にすることを決意します。
「私、やるわ!」
「私がやらなきゃいけないと思う!」
荒木さんの強い信念がこもったセリフに、こちらまで奮い立たされました。
信念を持って仕事をする人は強く、美しく、そして応援したくなるものです。
荒木さんの姿を見たネイリスト仲間も協力してくれるようになり、そしてここで、最高のパートナーである佐藤先生とも出会うことになります。
第二幕 本当にやりたいこととは何か
ネイルによる高齢者や障がい者への影響について研究している佐藤先生の協力を得て、福祉ネイルを全国に広める活動にも更に力が入ります。
ですがここで、この福祉ネイリストというお仕事が「ソーシャル・ビジネス」ならではの壁にぶつかるのです。
ソーシャルビジネスとは?
政府広報オンライン https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201410/3.html
ビジネスの手法を用いて、地域社会の課題解決に取り組む継続的な事業
佐藤先生は、大学の教授です。大学では、研究の成果やそれに伴う利益をシビアに求められます。
ソーシャルビジネスの目的は「社会問題の解決」です。「利益の追求」を目的とする一般企業とは、どうしても方向性が異なるのです。
今でこそソーシャルビジネスは増えてきていますが、荒木さんが活動を始められた2012年ごろはまだまだ知名度が低く、ソーシャルビジネスをボランティアと捉える人も少なくありませんでした。
佐藤先生が大学に属している以上、利益となるための研究を怠ることはできません。それに福祉ネイルの研究を続けても、それが画期的な成果となる確証はどこにもないのです。
「高齢者や障がい者の回復を手助けできる方法を見つけたい」という気持ちは持ちつつも、このまま福祉ネイルの研究に時間を割いていいものか、佐藤先生は葛藤し続けます。
再度伺ったデイサービスで、また奇跡が起こります。
旦那さんを亡くされてから喋らなくなってしまった利用者さんが、荒木さんが施したネイルを見て、もう一度声を聞かせてくれたのです。
「これだったんですね、私たちがやっていることって」
そう呟かれた佐藤先生の台詞が、私の中でとても印象に残っています。
ちなみにこのラストの演出は、稽古期間中に何度か変わっているそうです。
このお話の主人公である荒木さん本人も稽古をご覧になっていたようですが、荒木さんが見られた2回の通し稽古も演出が変わっており、本番一日前の稽古でもまた変わったのだとか。
本番ギリギリまで作品を高め、お客様に最高のものを届けたい!というWAO!さんの気持ちが伝わってきます(^^)
私も、このラストシーンが一番大好きです!!!
WAO!って、どんな劇団なの?
劇団WAO!は、2017年に発足しました。
「宇宙へ行こう!」を理念に、監督を含め20名ほどの団員が在籍しています。
この「宇宙」というのは、劇団WAO!に関わる人々のこと。
誰になにかを言われて生きていくことが人生ではない。誰も出会ったことがない、あなたらしいと思える世界にお連れする。
それが、劇団WAO!のコンセプトになっています。
代表の磯部さんは、メンズネイリストとして活動しながら、劇団WAO!の運営もされておられます。
今はもっぱら、劇団運営がメインになってきているそう(笑)
私のたどたどしい質問にも、気さくに笑顔で答えてくださいました!
ご自身のサロンでネイルもされているらしく、撮らせていただいたネイルは大人っぽくて高級感がありました……!
今回の公演では、主人公である荒木さんの想いを大切にしつつ、ガチガチに固まってしまった世界で生きている人へ向けてもっと楽しく生きよう!というメッセージを込めて、脚本と公演中の歌詞を作られたそうです。
稽古は一年ほど前から少しずつ行い、コロナ禍の影響もあってリモートでの台本読み合わせやお芝居の確認もされてきました。
その一年分の想いが、言葉の節々から感じ取れるようでした(^^)
また、今回は物語の主人公である荒木さんにもお話を伺うことができました!
「改めて当時のことを思い出して、何度も泣きそうになります」
「こんな素敵な舞台を作ってくれたみんなには、感謝しかありません」
たくさんの方に見てほしい、とおっしゃっていた荒木さんの熱い想いは、公演中のセリフからもひしひしと伝わってきました。
「何かを頑張れる人ってとっても素敵で、そういう人を見ていると周りは応援したくなりますよね。そんな応援を受けて、人生ってどんどん変わっていくんです」
てんしごとを見た人も、そんな希望を抱いて前に進んでいってもらえたら……とおっしゃっていました。
公演前の円陣では、磯部さんや荒木さんたちから一言ずつ言葉をもらって、劇団員が改めてひとつになる瞬間を目の当たりにしました。
皆さんの言葉に、団員さんたちが少し涙ぐむ場面も……。
この公演にかける熱量や今までの努力、劇団員から応援して下さっている方々への想いを感じました。
とても素敵な劇団だなあと思うと同時に、こんなふうに誰かの想いを大切にできる人たちだからこそ、今回の素晴らしい公演ができたのではないかなあと、私もちょっと泣きそうになりながら思っていました(笑)
劇団WAO! 第4期生絶賛募集中!!!
こんなにあったかい劇団WAO!さんが、ただいま劇団員を大募集中だそうです♪
団員は皆さんお芝居や歌の経験がなく、「小さいころ、舞台に立ってみたいと思っていた」「一度、人前で歌ってみたい!」という小さな想いを頼りにWAO!さんへ入団したんだとか。
お芝居が本業ではなく、副業で楽しんでいる方がほとんどで、公演も出演可能なメンバーに声をかけて調整しているそうです!
「仕事をしているけど、やっぱりお芝居やってみたい!」
「家事や育児と両立しながら楽しめる劇団ってないのかな?」
そんなあなたが自分らしく、もう一度青春を楽しめる劇団がここにありますので、興味のある方は是非下のリンクからメッセージを送ってみてくださいね♪
団員募集に関する詳細はこちら→https://www.gekidan-wao.com/joinus/
関連リンク
●劇団WAO!公式ホームページ
https://www.gekidan-wao.com/
●一般社団法人 日本保健福祉ネイリスト協会ホームページ
https://fukushinail.jp/
いかがでしたでしょうか?
コロナ禍の厳しい時期ではありますが、エンターテイメントの力も借りて明るく過ごしていきたいですね。
こんなときだからこそ新しいものに触れるというのも、とてもいい気分転換になりますよ♪
【追記】
新作公演「風、どこまでも 〜夢を諦めなかった、本当の物語〜」が上演されます。
場所:近鉄アート館
日時:2021年9月18日(土) 開場:15:00 / 前座:15:30 / 本編:16:00
Ticket:大人4,800円、高校生以下1,500円 、LIVE配信2,000円
SNSディレクターとして働きつつ、おもしろそう!たのしそう!おいしそう!なものに興味津々。音楽、舞台、漫画などのエンタメが大好き。食べることも大好きで、甘いものに目がない(特にチーズケーキ!!!)。ライター業に興味はあるが、語彙力がないのでもっとスキルアップできる方法を模索中。
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