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ゆるすぎる絵画鑑賞~肉筆浮世絵-美の競艶展~ 大阪市立美術館で6月21日まで開催中

更新:2015年06月19日 カテゴリー:イベント タグ:,

大阪市天王寺公園内にある、大阪市立美術館で6月21日まで開催中の「肉筆浮世絵-美の競艶」をすべりこみで見てきました。天王寺公園は現在大改修工事中で入ることはできません。ゲート近くにあらたにレストランやらフットサルコートが出来るそうなので楽しみ。

日本美術収集家ロジャー・ウェストンさんが所有するコレクションの中から選りすぐりの肉筆浮世絵約130点が見らられる、しかも日本で大阪が一番最初に見れる!版画ではなく、江戸時代から明治初期を彩った絵師たち、喜多川歌麿や葛飾北斎が直接描いたものが見れるなんて!な展示なのであります。
私、美術鑑賞が趣味というよりは、北斎のファンでして・・・・以前、ふらりと立ち寄った、この市立美術館で北斎展にでくわし、北斎ブルーといわれる藍色の美しさ、いさぎよい筆使い、クスっと笑える人間の動きの表現、細かすぎる植物や動物描写に魅せられちゃって・・・・・そうしたら、モネに代表される印象派の巨匠たちが北斎の浮世絵に多くの影響を受けていたことを知ったりして・・・・・で、若かりし頃より絵を見ることに興味をもつようになったわけでして。 今回も数点、北斎の美人画も展示されていて、水墨画のような色をおさえた作品ながらもかっこいい!立ち姿がかっこいい!やっぱりかっこいい!を再認識。最初に出会ったのが葛飾北斎なんで、エコヒイキしてすいません。もちろんほかの浮世絵も、ひとくくりにしちゃいけないくらい、個性あふれる作品ぞろいでした。

浮世絵とは

江戸時代に確立した絵画のジャンルであり、「浮世」=「現代」であり当時の日常を垣間見ることができるものも多い。今回は美人画が多く紹介されているので、大名や豪商から注文を受けて描かれた吉原の遊女だったり、いいところの娘さんがたくさん登場する。そして、これだけたくさんの浮世絵を眺めていて気付いたのが、案外お行儀が悪いこと。今の時代に着物をきるならば、それはもぉ~しゃなりしゃなりと持ちうる限りのお上品な自分でいようとすると思うけど、江戸時代の着物は日常。なまめかしいお姉さんも、立膝つくし、暑かったら襟元もはだけるはだける。そう、浮世絵って日常なんだ、と初めて理解した気分になりました。
そして日常を切り取る絵師魂、団扇を片手に夕涼みしている女性の着物の透け感、結った髪の毛の生え際の繊細な線、大胆な着物の柄、書き直しが効かない、恐ろしいほどの集中力なんかも、間近で見られるだけにビシバシと感じることができます。

進化する展示方法

今回の肉筆浮世絵展は、絵師魂をより間近で、クリアに見ることができるように、あらたな試みが。
透明度が高く反射の少ない高透過アクリルパネルで作られた独立した薄型ショーケースの中に1人ずつ、いやいや1作品ずつ展示されているコーナーでは、モノホンまで30㎝!な至近距離で細かいところまではっきりと堪能することができます。そして、このケースを照らすのはLEDライト。従来の美術館展示よりも自然光に近い、絵師が見ていた明るさに近い状態で見ることも可能になったそう。従来の明かりと比較展示していたものを見ると歴然。
チェーンやロープで絵に近づけないようにしていた絵画展に行ったこともあるけれど、たしかに、絵画展に歩きに行ったかのように、薄い感動しか残らなかったっけ。気軽に見に行くことが出来て、すごい衝撃をもらえる絵画展演出、美術館も進歩してますよ~

日本の美にふれてみよう

ボストン美術館がたくさんの浮世絵を所有してたり、今回のロジャー・ウエストンさんのように個人でたくさんの日本美術を所有してたり、どうして日本から出ていっちゃったんだろ・・・・・どうして手放しちゃったんだろ・・・・・とは思うけれど、戦火をのがれ大事に保存されてきたことで、再び私たち日本人が江戸時代の絵師魂を見ることが出来るんだから、この機会に是非見てみるべき。美術展示の進化もおもしろいし、私たちのご先祖さまの日常も垣間見ることが出来るんだから。
大阪展示はもう終わりですが、国内展示は続きます!

◇肉筆浮世絵は巡回展でオープニングが大阪市立美術館で、以降の開催予定はこちら
●長野展 2015年7月11日(土)~10月13日(火)
北斎館(長野県上高井郡小布施町大字小布施485)
※前期・後期で作品の大半が入れ替わります。
前期展示:7月11日(土)~8月25日(火)
後期展示:8月27日(木)~10月13日(火)

●東京展 2015年11月20(金)~2016年1月17日(日)
上野の森美術館(東京都台東区上野公園1-2)

シカゴ ウェストンコレクション 肉筆浮世絵-美の競艶

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